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Copilot×税理士|Word・Excel連携で書類作成を効率化する使い方

ラクゼイ編集部 約11分で読めます

お役立ち資料:税理士向けAIツール比較表(PDF) →

Copilot 税理士活用の要点は、普段使うWord・Excel・Outlookの中でAIを動かせる点にあります。ChatGPTやClaudeのように別画面を開いて情報を貼り付ける手間がなく、決算書コメントの下書き、顧問先向け報告書のたたき台、Excelでのグラフ生成などを既存の業務フローの延長で行えます。本稿では、Word・Excel・Outlook別の具体的な使い方、2026年のライセンス最新動向、守秘義務上の注意点、他の生成AIとの使い分けまでを実務目線で整理します。

Copilot 税理士活用とは|Microsoft 365内で使えるAIの基本

Copilot 税理士活用とは、Microsoft 365 Copilotを税理士事務所のWord・Excel・Outlook・Teamsの操作に組み込み、書類作成やデータ分析を効率化する使い方を指します。ChatGPTやClaudeが独立したチャット画面でのやり取りを基本とするのに対し、Copilotはアプリケーションのリボンやサイドパネルに常駐し、開いているファイルの内容を踏まえて応答する点が特徴です。

利用にはMicrosoft 365の法人プランに加え、「Microsoft 365 Copilot」のアドオンライセンス、または個人向けの「Copilot Pro」の契約が必要です。無料版のCopilotアプリでも簡単な文章生成は可能ですが、Word・Excelのファイルに直接介入する機能は有料ライセンスが前提になります。税理士事務所で導入する場合、記帳や試算表を直接操作する会計ソフトのAI機能(freeeのAI機能マネーフォワード×AIなど)とは役割が異なり、Copilotは主に「顧問先に見せる書類」を作る工程を担うと位置づけると運用設計がしやすくなります。

WordでCopilotを使った議事録・提案書作成

WordのCopilotとは、面談メモや決算数値のメモ書きから、議事録・提案書・案内文のドラフトを自動生成する機能です。ゼロから文章を書く時間ではなく、たたき台を確認・修正する時間に業務の重心を移せます。

  • 顧問先面談の議事録化:面談中に取ったメモを箇条書きで渡すと、見出し付きの議事録形式に整形してくれます。文字起こしからの自動要約については顧問先面談の議事録をAIで自動化する方法も参照してください。
  • 決算報告書・提案書のたたき台:「今期の売上高○○円、粗利率△△%を踏まえた改善提案を3点」のように具体的な数値と指示を与えると、たたき台の文章が生成されます。数値の正確性は必ず担当税理士が確認します。
  • 文面のトーン調整:顧問先の属性(法人代表・個人事業主など)に応じて、丁寧さや専門用語の分量を指定して書き直せます。

実際にWordでCopilotを試した事務所では、議事録の初稿作成が30分前後から10分前後に短縮されたという声があります。ただし短縮できるのは「文章を整える」工程であり、数値の裏取りと最終確認の工程は省略できません。

ExcelでCopilotを使ったデータ分析・グラフ作成

ExcelのCopilotとは、試算表や補助資料のデータをもとに、自然言語の指示だけでグラフ作成・傾向分析・簡易な数式提案を行う機能です。編集モード・プランモード・チャットモードの3種類があり、編集モードでは指示に応じてブックを直接更新できます。

  • 顧問先向け補助資料のグラフ化:「A列の月次売上とB列の粗利率を並べた折れ線グラフを作って」と指示するだけで、グラフの原案が作成できます。
  • 異常値の検出:「前月比で20%以上変動した科目をハイライトして」といった指示で、確認すべき仕訳の当たりをつけられます。最終的な要因分析は担当者が行う前提です。
  • 関数の提案・説明:複雑な関数式をCopilotに解説させることで、他の職員への引き継ぎ資料作成の負担を減らせます。

2026年8月にはMicrosoft社が「Copilot in Excel」の編集モードでPythonコードを実行できる機能を段階展開したと公式リリースノートで案内しています(Microsoft Learn「Microsoft 365 Copilot のリリース ノート」、2026年8月11日〜25日の更新分)。これにより、単純なグラフ作成だけでなく、複数シートにまたがる集計や条件付きの変換処理も自然言語の指示から実行しやすくなっています。ただし、出力される数式や集計ロジックの妥当性検証は引き続き人が行う必要があります。

Outlook・TeamsでCopilotを使った顧問先対応

Outlook・TeamsのCopilotとは、メール作成の下書きや、Teams会議の要約・タスク抽出を自動化する機能です。書類作成だけでなく、日々のコミュニケーション業務にも活用範囲が広がります。

  • メール下書き:受信した顧問先からの問い合わせに対し、要点を踏まえた返信の下書きを生成できます。ChatGPTを使った同様の運用はChatGPTで顧問先メール下書きを短縮する方法でも紹介しています。
  • 長いメールスレッドの要約:やり取りが長期化した案件の経緯を、Copilotに要約させてから対応方針を検討できます。
  • Teams会議の自動要約:会議終了後に決定事項とネクストアクションを自動生成し、議事録作成の初稿として使えます。

セキュリティと守秘義務|導入前に確認すべきこと

Copilot利用時のセキュリティとは、顧問先情報を含むファイルをAIに処理させる際に、税理士法第38条が定める守秘義務との整合を保つための管理体制を指します。Microsoft 365 Copilotは、契約データ(Microsoft 365のテナントデータ)をMicrosoftのAIモデルの学習に利用しない契約設計になっている点が公式に案内されていますが、これは「契約プランと設定を正しく行った場合」の前提です。個人向けの無料版Copilotアプリと、法人契約のMicrosoft 365 Copilotでは、データの取り扱いに関する規約が異なるため、業務利用は必ず法人契約側で行う必要があります。

  • 個人アカウントでのCopilotアプリ利用を業務で使わないルールを明文化する
  • テナント管理者側でCopilotのデータアクセス範囲(SharePoint・OneDriveの共有設定)を事前に棚卸しする
  • マイナンバーなど特定個人情報は、AIへの入力対象から除外する運用を徹底する

事務所全体のルール整備については税理士 AI ガイドラインの作り方、他の生成AIとの共通論点はChatGPTに顧問先データを入れるリスクと対策も併せて確認してください。

導入費用とライセンス|2026年の最新動向

Copilot導入費用とは、Microsoft 365の法人プランに追加する「Microsoft 365 Copilot」アドオンのライセンス費用と、既存のMicrosoft 365サブスクリプション費用の合計を指します。アドオンは1ユーザーあたり月額換算で数千円規模の追加費用が一般的で、事務所全体で契約する場合は職員数分のライセンスが必要です。

2026年のライセンス体系にはいくつかの変更がありました。Microsoft社は2026年4月15日から、契約シート数が2,000以上の組織を対象に、Microsoft 365 Copilotアドオンライセンスが割り当てられていないシートではWord・Excel・PowerPoint・OneNoteのCopilot機能を利用できない仕様に変更したと案内しています(Microsoft Learn Partner Center announcements)。税理士事務所の多くはこの対象規模には該当しませんが、既存のCopilot Chat(無料枠)だけで運用していた場合、規模拡大時にライセンス費用が発生する可能性がある点は留意が必要です。また2026年5月1日には、上位エンタープライズプラン「Microsoft 365 E7(Frontier Suite)」が一般提供を開始しており、AI機能を重視する大規模法人向けの選択肢が広がっています。中小規模の税理士事務所では、既存のMicrosoft 365 Business系プランへのCopilotアドオン追加が現実的な選択肢になります。

ChatGPT・Claudeとの使い分け

Copilotと他の生成AIの使い分けとは、業務の性質に応じて複数のAIツールを組み合わせて運用する考え方です。Copilotは「Word・Excelなど既存ファイルの中で完結する作業」に強みがある一方、複雑な税法解釈の調べものや長文の通達確認には、ChatGPTやClaudeのほうが適している場面もあります。2026年にはWord内でCopilotを使う際にAnthropicのClaudeを応答モデルとして選択できるようになったとも報じられており、Microsoftの生成AI活用がOpenAIのモデルに限定されない方向に進んでいます。

1つのツールに統一するのではなく、既存業務にどれだけ自然に組み込めるかで役割分担を決めるのが実務的な進め方です。

よくある質問

Q1. Copilotは無料でも税理士業務に使えますか?

無料のCopilotアプリでも簡単な文章の下書き作成は可能ですが、Word・Excelのファイルに直接介入する機能や、テナントデータを保護する契約条件は有料のMicrosoft 365 CopilotまたはCopilot Proが前提です。業務利用では無料版に頼らず、法人契約での運用を推奨します。

Q2. Copilotに顧問先の決算数値を入力しても問題ありませんか?

Microsoft 365 Copilotの法人契約では、契約データがAIモデルの学習に利用されない設計になっていると公式に案内されていますが、これは正しい契約・設定が前提です。マイナンバーなど特定個人情報の入力は避け、事務所のガイドラインで入力可能な情報の範囲を明文化した上で利用することが望まれます。

Q3. すでにChatGPTを契約している場合、Copilotも追加すべきですか?

必須ではありません。ChatGPTだけで書類のたたき台作成を運用できている事務所であれば、無理にCopilotを追加する必要はありません。一方、職員がWord・Excelでの作業時間が長く、コピー&ペーストの手間を減らしたい場合はCopilot導入の効果が出やすい傾向があります。

まとめ|Copilotは「既存業務の中で使うAI」として位置づける

Copilot 税理士活用は、Word・Excel・Outlookという普段のツールの中でAIを動かせる点が最大の特徴です。議事録・提案書のたたき台作成、Excelでのグラフ生成・異常値検出、メール下書きなど、既存業務の延長で導入しやすい一方、数値の最終確認と守秘義務上の入力ルールは人の手で管理し続ける必要があります。ChatGPTやClaudeとは役割を分け、業務の性質に応じて組み合わせる運用が実務的です。

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